天童高等学校

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 天高PTAだより「天馳ける夢」ご覧ください(PDF)

 

第86号(平成23年7月20日発行)

 


よりよい教育環境のために
~本校のPTA活動の紹介~

1 はじめに

本校は大正9年に県天童実科高等女学校として開校以来、今年で創立91周年を迎えました。

この間時代の要請により、高等女学校、商工高校、定時制併置など変遷を重ねてきましたが、平成11年より東学区唯一の総合学科高校として新たなスタートを切ってから、今年ではや、総合学科13年目を迎えました。近年は、進学型の総合学科高校として、国公立大学を始め大学、短大、公務員など進路目標の達成が毎年向上しています。部活動では、空手道部やなぎなた部が毎年インターハイに出場しています。近年では、平成20年度に吹奏楽部が東北大会で金賞を勝ち取り、東日本大会に出場できたことは大きな喜びでした。また、一昨年度よりダンス愛好会ができ、早くも昨年度ヒップホップ部門で全国大会に出場できたのも喜ばしいことでした。

昨年度は創立90周年を記念して記念式典と祝賀会を盛大に実施し、また校歌と応援歌のCD製作、記念講演会の開催、通学路を花のプランターで飾る「幸せが届きますように」の実施、「天馳(か)ける賞」の創設などの記念事業を行いました。

平成16年8月の「天童夏まつり」に本校1年生と生徒会執行部が踊り手として参加することになり、PTAとしても総力をあげて支援することにしました。以来、本校PTAのメインイベントといってよい活動に発展しています。その他、4月の「天童桜まつり」に参加する生徒の激励、7~8月には姉妹校である韓国のプルゴック高校との相互ホームステイ交流への支援、8月末の天高祭参加、10月のマラソン大会のサポート、年2回の植栽活動、各時期に行われる街頭指導が主なPTA活動です。また、PTA予算からスクールカウンセラー事業の支援もしています。

 より良い教育環境にしていくためには、保護者と学校が一層連携し、主要な事業へのPTA参加率を高める必要があると考え、20年度より主要な事業へのPTA参加率80%を目標に活動を進めることとしました。そのような本校PTA活動について紹介します。

 これらの活動の主体は各クラスから5人程度選出される評議員です。評議員は5つの専門部に所属して活動を行っています。それらの活動の一端を紹介します。

2 主要事業と専門部の活動

(1)天童桜まつり

舞鶴山公園で行われる天童市の代表的な観光行事である「人間将棋」に、2年生と生徒会執行部が駒武者として出演しています。また、当日は空手道部となぎなた部が演武を披露しています。PTAの新体制がまだ整わない4月当初ですので、PTAの前年度役員で生徒の激励を行っています。生徒にとって地域行事に参加し、 併せて伝統文化を体験できることは一生の思い出になるものと考えています。
 
 生徒にとっては思い出に残る高校生活の記念になりますが、その晴れ姿を見るのは保護者の喜びであるのはもちろん、とりわけ祖父母の皆さんにとってわが孫の立派な鎧甲姿を見るのは嬉しい限りのようです。

ラッシャー板前将軍に率いられ出陣。
空手部の演武は全国レベル。
満開の桜に包まれて」人間将棋 空手部の演武は全国レベル

いつもなら、満開の桜に包まれて人間将棋。桜に映える空手道部やなぎなた部の演武は全国レベルのはずが、今年は震災の影響で中止になりました。残念でなりません。 

(2)天童夏まつり

天童の夏の夜の祭典である天童夏まつりには、1年生全員が参加し、地域の人たちとともにその継承に力を入れ、その感動を分かち合っています。4クラスがそれぞれ工夫をしてオリジナル花笠踊りを披露しています。PTAは役員あげてサポートを行っています。準備の打合せは数回に及びます。当日は給水や荷物の運搬、行進のサポート、交通安全指導と行進終了後の巡視などを行います。また、PTAとして各クラスに賞を授与し、生徒たちの頑張りを讃えています。21年度より山車と提灯、大団扇を新調し、一層華やかな行列となっています。一方、これまでPTAで行っていた山車の準備と解体を22年度より全面的に業者に委託し、負担の軽減をはかりました。

おそろいのTシャツで、オリジナル花笠踊を披露。元気いっぱいに天童高校をアピール

(3)国際交流-韓国佛谷(プルゴック)高校との相互ホームステイ

平成12年より韓国への修学旅行を実施しており、その日程の中でソウルにあるプルゴック高校を訪問し、交流会を行っています。それとは別に、平成13年から生徒同士の相互訪問事業も行っています。訪問・受け入れとも、3泊のホームステイとしています。平成16年にはプルゴック高校と姉妹校の締結を行い、一層国際交流の推進を図ることとしました。PTAとして教育後援会と共に、予算から相互訪問事業に経費を援助し、支援等を行っています。20年度には、より多くの生徒に参加してもらおうと補助額を増額しました。これらの交流を通じて、生徒が国際感覚を身に付け、広い視野で心豊かな世界を創造するきっかけになることを願っています。

①予期せぬ出来事で近年は中止

19年度は本校としては実施の準備が整っていたのですが、プルゴック高校の都合でやむをえず中止となってしまいました。

翌20年8月の相互交流は、今年こそ相互交流の復活と多くの生徒が訪問を希望していたその矢先、突然の「竹島問題(韓国では「独島」)」が再燃し、出発2日前にプルゴック高校より交流不可の連絡が届き、再び中止になってしまいました。出発を楽しみにしていた生徒たちはがっかりするとともに国際関係の複雑さを身近に感じる出来事となりました。難しい政治的な問題があるのはいたしかたのないことですが、だからこそ民間交流の意義があるのではないでしょうか。

ただ、20年12月の修学旅行時の交流が予定通りできたことは救いでした。19年度に約束した文通交流を行っていたことで、プルゴック高校訪問時に文通相手と出会うことができ、交流は一層進みました。

そして、21年度はまたしても予期せぬ新型インフルエンザ問題が起き、韓国修学旅行自体はなんとか実施できましたが、プルゴック高校より交流中止の申し入れがあり、またもや高校訪問中止のやむなきにいたりました。文通交流は続けていましたので、一層残念でした。

ホームステイ交流は22年度に再開することをプルゴック高校と約束し、21年度の国際交流の予算は、チベット出身の声楽家バイマーヤンジンさんを招聘に使うことにし、創立89周年記念講演として実施しました。

22年夏、4年ぶりにホームステイ交流再開。修学旅行は国内へ。

22年度は交流再開をプルゴック高校と約束した年です。またもや3月に北朝鮮による韓国哨戒艇撃沈事件が起き、さらに韓国併合100周年にもあたり情勢の推移を心配しましたが、幸いに20年度の竹島問題の時のような情勢悪化はなく、4年ぶりのホームステイ交流を順調に実施することができました。90周年ということもあり、15名の定員を上回って17名を訪韓させることができました。受入だけの生徒を含めると18名の交流参加となりました。 しかし、修学旅行はこれまでの不安定な経緯を考え、順調に実施できる国内旅行に変更しました。

プルゴック高校でパートナーと (平成22年7月24日)

プルゴック高校一行来校 (平成22年8月6日)

(4)専門部の活動

1.総務部会

各専門部との連絡調整を行い、全般にわたりPTA事業の統括を行っています。また、校外の各種研修会には、主として総務部員が参加しています。

クラス保護者会のとりまとめ役も総務部員です。学校のことは子どもまかせにするのではなく、親同士も知り合い懇親を深めることで、子どもにも良い影響があるのではないか。また、担任や学年との連携を深めたいということから、クラスの懇談会や懇親会をぜひ行なおうと総務部会の会議で申し合わせています。開催を担任や学年任せにするのではなく、総務部員が率先して開催していこうということになっています。

9月上旬には評議員懇談会を開催し、研修会と懇親会を行っています。21年度は出羽桜の鴨田直希氏の講演と酒の試飲、22度は県教育委員の松村昌子氏に講演をしていただきました。21年度よりそれまでの行事の「反省会」から「懇談会」という形にしました。 今年度は、村山地区PTA研修会の研究発表が本校の番でしたので、発表者の水澤智子氏に「自立に向けた家庭教育について」と題して、プレ発表をお願いしました。

 

2.広報部会

年2回PTAだより「天馳ける夢」の発行を行い、近隣地域にも配付しています。18年度からカラー版とし、紙面数も増やし、より一層見やすく親しまれる紙面作りに努めています。

前期担当と後期担当の2班に分けて、編集会議を数回持って作成していますが、ここ数年は担当の部員はほぼ皆さんが出席して、会議と編集にあたっています。

 

3.生活指導部会

交通安全街頭指導と一声運動を3回以上実施し、交通ルールとマナーの遵守を指導し、 交通安全と交通事故に対する危険回避意識の涵養に努めています。また、天童夏まつりはもとより、各地域のお祭りでも巡視を行い、事件・事故の防止に努めています。

20年度高P連県大会で本校PTAの活動を発表しました。
PTAだより「天馳ける夢」はA4カラー版10ページ 平気で傘差し運転。保護者として申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。

 

4.環境整備部会

学校生活を潤いとゆとりのあるものにするために、校舎前の花の植栽と美化活動を行っています。特に、後期は生徒と一緒に活動を行うことで、生徒の美化に対する意識も向上しています。

22年度はこの活動に加えて、90周年記念事業として、通学路を花のプランターで飾る「幸せが届きますように」と名付けた事業を1学年の生徒とともに行いました。 今年度は通学路だけでなく、JR天童駅や地元の公民館にもプランターを置かせていただきました。

 

5.保健体育部会

天高祭(学校祭)で休み処を設け、模擬店の指導も行っています。また、天高祭時に校地を巡視し、内外の安全点検をしました。

平成18年度より校内マラソン大会を前に救急法(心肺蘇生法)の講習会を開催して研修しています。マラソン大会では関門係として安全誘導と激励にあたっています。

環境整備部の植栽作業 マラソン大会に備えて心肺蘇生法の講習会

3 参加率向上の取り組み

各専門部会の活動への参加率は非常に高いのですが、総会や評議員会の参加率が十分でないことから、20年度より主要な事業への参加率80パーセントをめざして取り組んで行くこととしました。より良い教育環境にしていくためには、保護者と学校が一層連携すること、本校教育への理解を深めること、親が教育支援に取り組む姿を子どもに見せることが大切と考えるからです。

 参加率向上の取り組みとして、次のことを実施しています。

(1)PTA総会資料の今年度の事業計画にPTA活動や学校行事の日時、場所をあらかじめ明記して、計画的に参加するように呼びかける。

(2)PTA総会(4月29日昭和の日)に参加できない場合、5月上旬午後4時からPTA説明会に出席してもらうこととする。あらかじめ、総会の案内にそのことを明記した。なお、総会の前には授業参観を実施する。PTA説明会はPTA主催とし、会長、各学年委員長が出席して実施をする。

結果として、総会自体の出席率がこれまでにない高率となり、説明会とあわせると目標の80%を越える高出席率となっています。21年度は90%台に達しまし、さらに今年度は過去最高の出席率となりました。

                               ※数字は%

    第1回評議員会 総会 PTA説明会 第2回評議員
22年度 1年 80.8 87.0 94.5 76.9
2年 96.2 83.8 90.9 80.8
3年 92.3 76.9 89.7 76.9
全体 89.7 82.6 91.2 78.2
21年度 1年 96.2 91.5 97.0 65.4
2年 96.0 74.6 86.7 80.0
3年 92.3 74.6 87.6 77.8
全体 92.3 80.3 90.5 74.4
20年度 1年 100.0 83.7 94.4 84.0
2年 80.8 65.3 80.9 61.5
3年 63.0 68.5 83.2 92.3
全体 80.1 72.5 86.2 79.2
19年度 1年 96.0 66.5 PTA説明会
の数字は総会
と合わせた%
44.0
2年 80.8 47.7 57.6
3年 88.5 55.4 50.0
全体 88.3 56.6 50.6

(3)クラス懇談会、懇親会を総務部会のクラス代表が実施することにした。
 まずは、身近なクラスの懇談会に多くの保護者に参加してもらいたいと考えています。例年、各学年で実施する進路説明会は高い出席率になっており、その折りに学年やクラスによっては懇親会を実施しています。

 

4 成果と課題

天童市で唯一の県立高校であることから、地元のイベントに参加することで、地域との結びつきを一層強くし、生徒の社会力を育むことに寄与しています。上記の活動へのPTA役員や評議員の参加率は高く、活動をスムーズに行うことができています。その多くが生徒や学校教育の支援活動であり、生徒の様子を実際に見、また声をかけ、生徒には親の姿を見せることで生徒の健全育成に役立っていると思います。

課題としては、各活動への参加はおおむね80%以上と目標を達成していますが、マンネリ化せずに各活動の質を常に改善する方向で進めていくこと、また懇親会を伴う会合の参加率をいかに高めるかということです。主要な活動は役員や評議員が行っていますが、一般の保護者にもPTA総会、各種研修会、クラス保護者会、進路説明会などにぜひ参加してもらい、学校と家庭の相互理解を進め、生徒のより良い指導につなげたいものです。学校や生徒の様子を実際に知り、学校と連携することでより良い健全育成ができるものと思います。

20年度より上記のような参加率改善の工夫を実施した結果、主要な活動への参加率は高くなり、目標を達成しています。

一方で、PTA活動の充実は時に先生方への負担となる場合があります。総会はPTA評議員が会場設定や受付、駐車誘導など運営全般を行っていますが、他の活動においても保護者ができることは保護者が行い、生徒や先生方、天童高校の教育活動の支援となるように工夫をしていきたいと思います。

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